Red blood No.12 記憶(No14)





「ワハハハハ!逃がさんぞ!!!」

「・・・つか、あの人の場合あの人自信の力のような気が・・・」

「化け物め・・・」

「で!どうするんだよ!あの巨人に勝てる勝気はあるのか!?」

「ちっ。あるにはある。」

「それって何!?」




あるなら!さっさとそれをやれ!




「・・・・おまえの左手・・・それはアシャの腕だな。」

「ありゃま、やっぱし!!! これじゃ戦えねーすよ・・・どうすれば。」

「もしかしたらアシャの炎がつかえるのかもしんねぇ・・・」

「えっ!?」

「キッパリ言うが今のおまえではあいつに勝てん!」

「・・・もれも勝てる気がしねーわ・・・」

「でも望みはある。」




望み?

・・・あっ!




「植物は大地に強いけど、炎は植物に強い!」

「そうだ。アシャならアムルタートに有利なんだ。」

「でも、どうすんだよ!シオはその左手使えねぇんだろ!」

「そうすよ!」

「そこでだ。静かな場所で集中して心の中でアシャを叫べ。合体している今ならアシャと語れるはず!」




あの未確認生命物体ってしゃべれるのか!?

いや、プラ吉とも携帯でしゃべれるからできないこともないと思うけど。

こいつら、携帯のこと知らなかったんだろっ?!

シオもそのことは初耳だったらしくて、びっくりしてレオに問いかけている。

がレオが言うには、集中すれば話し合うことができるらしい。

でも、この巨人から追いかけられてる状況で集中しろなんて無理に等しいだろっ!

てか、巨人!頭でガリガリ天井をやって頭痛くならないのかっ!?

石頭にもほどがあるぞっ!!!




「で、どうやって集中するんだっ!?」

「それっすよ・・・。」

「うむ・・・。行け!そして語りかけな!」

「「えっ!?」」




いきなり踏みとどまって刀を鞘から抜くレオ。

一人で足止めする気か!?




「レオ!」

「ぐずぐずしてんじゃねぇ!!!」

「でも・・・。」




シオはレオのことが心配なようで立ち止まってレオの方を向く。

ここでオレたちが残ってもレオの足手まといになるだけ。

オレはレオみたいに戦えねぇし、シオもさっきの戦いでドレクセルには勝てないってわかっているはずだ。

ここでじっとしているよりも、集中して勝気を掴んだほうがいい。




「チッ!!こいつを連れてけ!

「レオっ!?」

「行くぞっ!」




レオに言われるが早いか、シオの腕を掴み走り出す。




、レオはどうするっすか!」

「レオはお前のために足止めしてくれるんだぞ!それなら、シオも集中してアシャの能力を手に入れろ!」

「・・・・。」




オレが叫ぶと静かになるシオ。

そして、何を思ったかくるりとまたレオの方を向いて立ち止まる。

おぃ!レオが心配で戻るとか言うなよ!?




「シオ!?」

「そいじゃ、足止めたのんだすレオ!!!無茶はせんよーに――――っ!」

「・・・・っ!レオ死ぬなよっ!」

「誰が死ぬかっ!」




短い会話を交わしてまた走り始める。

なんだか、わからないけど口元がつり上がってくるのを感じた。

















「で、どこか集中する場所は・・・・」

「どこでもいいんじゃねぇか?ドレクセルの手下に見つからなければ。」

「そうす―――「防人の小僧たちがいたぞっ!」

「「ゲッ!」」




さっそく見つかってどうするよ!?

前からやってきた巨人の一味が大声を上げる。

ここには隠れるところも何にもない。

仲間を呼ばれたら困るんですけどっ!?





「あ゛ー、もう!」

「えっ?!?」

「シオ!コレ借りるっ!」




バッと、シオの周りに浮いていた黒い球を取る。




、何するんすか!?」



バコっ―



「現サッカー部員を舐めんなよ。」




ピッっと親指を立てて下へ向ける。

でも、伸びている巨人の手下はそんなこと聞く状態じゃない。

何をしたかと聞かれたら、思いっきりあの黒い球を手下に向かって蹴りました。

うわぁー。いい音したなァ。とか人事のように思いながら、

すっともとの場所に戻ってくる黒い球を見て、便利だなぁとも思う。




「うへー。すごいすね・・・。でも、が今蹴ったのアシャの……」

「細かいことは気にしないっ!」

「いいすか……。」




ボソリと、シオがこぼしているけど無視して集中できるところを探しはじめる。

細かいことを気にしてると大人になれないぞ!

むしろ、他のやつに見つからなくてよかったじゃねぇか!




「ミィ!」

後ろに―――ピュドンー!・・・手下の方々が……」

「「・・・・」」

「・・・さ!集中できるとこ探そうぜ!」

「・・・そうすね。」




黒焦げになっている手下の方々は無視して前に進む。

プラ吉攻撃してオレらを守ってくれるのはいいけど、もう少しやさしくな?


















「何処かないすかね?」

「もう、ここでいいんじゃねぇ?」




結構走り回って見つけたのは、普通の人が入るサイズの扉の部屋。

これなら、巨人は壁を壊す以外入る方法がないと思うから大丈夫だと思う。

イヤ、あの巨人の行動から壊してでも入ってくると思うが・・・。




「集中、集中。心の中でアシャに語りかける・・・とな」




部屋に入ってから集中し始めるシオ。

そんなシオを邪魔しないように、じっろ黙っている。

はぁ、それにしてもレオは大丈夫だろうか?

シオをあの場から引き離すために、大丈夫とか言って来たけど、ホントのところは?

マジで心配になってきたっ!

もともと、じっとしているのが性に合わない性格なのでだんだんイライラしてくる。





「うああああっ!!! なんじゃこりゃあああっ!!!」

「シオっ!?おい!大丈夫か!?」

「ミィ!?」




いきなり苦しみだしたシオが大声を上げて頭を抑える。

どうしたんだよ!?護神像ってのと会話をするのは大変なことなのかっ!?

わけのわからないオレは一人であたふた。

その間にもシオは大声を上げて苦しむばかり、




「どうしてこんなことを…………!!――

   ――レオはそんなこと言ってなかった………」


「シオ!?」




オレが声を掛けるけど、今のシオには全く聞こえてない。

そうしているうちにも、シオは本当に苦しいようで、涙やら汗やらいろんなものが噴き出している。

レオはこんなに大変なことだって言ってなかったぞ!?

カバンからタオルを取り出してシオの汗を拭いたりしてやる。

このままシオが死ぬとか言わないよな!?




「オエー!!!」

「っ!?大丈夫か!?」




くそっ!

こんなときに何にもしてやれない自分がもどかしい。

砂漠に来てから、いろんなことがあったけどプラ吉に助けてもらったり、眼鏡さんに助けてもらったり

さっきはレオに助けてもらったり……オレは一人じゃなんにもできてねぇじゃねぇかよ!

拳を堅い石の床に叩きつける。

手はヒリヒリ痛かったけど、これ以上にシオは苦しいんだよな

シオの背中を反対の手で摩りながらも、叩きつけた拳よりも心がズキズキ痛む。





〜♪



「へ?」




いきなり音を発てて鳴ったのは自分の携帯。




「神、大丈夫、手、叩いたら、ダメ=v




〜♪




「"塩、皆の思い、インスト中、すぐ、終わる、心配すること、ない=v

「ミィ。」




プラ吉が心配そうにオレのことを見上げてくる。




「ありがとな。」




そうだよな。

今、オレがココで喚いても何にもならない。

プラ吉の頭を撫でてからシオのほうを見た。

プラ吉が言っていることが本当ならシオは死なないみたいだ。

そのことにホッとしながらも、先ほどからこそこそとしゃべり声が聞こえる扉へ意識を向ける。

まず、オレがすることは扉の外の手下達をどうにかすることだよな。

でも、どうするか・・・

この部屋に入り口はあそこ一つしかないし、ここは結構地上から高いところだから窓から出るのも無理だろ

シオはこの状態だし、あんまり動かさないほうがいいんだよな?





「お…おい!この中に入った防人のコゾウ苦しんでるみたいだぜ!?」

「病気かも」

「…今ならやれるんじゃねぇか!?」

「―――だな!やっちまってドレクセル様にほめてもらおう!!!」




マジやべぇ!!!絶体絶命っ!?











BEAKTOPNEXT