Red blood No.9 大地(No07)





「それ!キサマのだったのか!?さっきから何回も何回も煩いんだよ!」

「違うすよレオ。それは神かみさまのケイタイす。」

「それは、どうでもいいとして!事あるごとに鳴ってどうすればいいのかわかんねぇし。とにかくそれ鳴らないようにしろっ!」




レオが携帯を取り出したときに勢いよくそれを奪ったオレ。

オレの携帯と同じデザインの松田の携帯。

ちょっと同じデザインの携帯を持っていることで喜んでいたオレだから、これは松田の携帯でまちがいないはず。

それにあの奇妙な着信音。

・・・・・・うん。絶対に松田の携帯だな!

松田の携帯だと確認して安心したオレはレオに答える。




「いや、もう鳴らないと思う。」

「「・・・?」」




松田の携帯を悪いと思いながらも開くとそこには、『受信数13件』の文字。

そのメールの送信者はすべてオレ。

・・・・・。

オレどんだけメール送ってたんだよっ!!

松田の携帯が鳴ったのはオレがメールを送ったから。

だから、オレがメールを送らなければ携帯は鳴らない。

2人は頭にハテナマークを飛ばしながらオレの方を見てきたけど、それを言ってオレが携帯を鳴らしていたことがわかると、レオが斬りかかって来そうなので黙っておいた。




「・・・・?そう言えば、松田は?」




そうだ。そう。コレは松田の携帯だし、肝心の松田がココにいないのがおかしい。

シオがここにいるので、松田もいるはずだと思ったのだが

この広い砂漠の中見回してみても松田の姿はなかった。




「松田って誰だ?」

「松田・・・松田・・・・だれっすわな・・・?」




えっ?はっ?2人ともわかんないの?

はぃ?でもシオって松田の携帯の掛けたときに電話のそばにいた奴だよな・・・。




「キサマわかんねぇのか。」

「松田・・・松田・・・・・・っ!?松田様!!」

「「はァ!?」」




松田様って!?

いきなり声をあげたシオに、レオとオレはわけのわからないと声を出す。




「そうっすよ!レオっ!!!もれたちは、神さまを追っているんっすよ!」

「えっ?」

「はっ?」

「神さま!って、すごいあっちに行ってる!?」




そう言ったとたんシオがダッシュで走り出していく。

はァ?いきなり何なんだよ!?




「ちょっと待て!!!」

「はァ!?」




今度は隣にいたレオまでシオを追っかけて走っていく。

ちょっと待てはオレのセリフだ!!!

お前らどこに走っていくんだよ!!!

せっかく見つけた松田への手ががり。

シオの様子からすると絶対あれは松田のことを知っている。

・・・・。




「チッ。」




舌打ちを一つして、プラ吉を急いで抱えてオレは2人の跡を追った。

・・・それにしてもオレ、ココに来てから走ってばっかりの気がする――














「ゼーハ―。ゼーハ―。げほっ。」




コ、コイツらどういう体力してるんだよ!!!

走ること約1日。

オレは一日休憩なしのフルマラソンなんてしたことないから、もう息が上がりまくってる。

ダッシュで走っていたシオとレオについて走っただけで拍手もんだ!!!

そのシオとレオも少し先のほうでダウン状態。

シオにいたっては干からびているようにも見えた。

もう歩く体力もオレには残っていないので、ノロノロと這うように2人の元に向かう。




「げほげほっ。シオ。オレのこと覚えてるだろ、一回・・・松田の携帯ごしに・・・」

「も、もれも・・・の声はどこかで・・・き、聞いたことがあるなって・・・思ってた・・・す・・・あのときの・・・か・・・神さまの友達だったすね・・・それで機械とも中がいいんす・・・ね。」




2人とも息を切らしながら何とか会話を成立させる。

と、とにかくシオはやっぱり松田の携帯の向こうの子供の声の本人だった。




「それ・・・で、松田・・・は・・・」




ちらりとレオの方を見るとまだレオも肩で息をしている。

・・・・。

ふと、思う。

シオの言ってる“神さま”は“松田”のことで間違いがないと思う。

電話越しにもそんなことを言っていたし、昨日も松田様って言った後、神さまって言って走り出したから。

シオの様子を見ていると、シオは松田のことを“神さま”として尊敬しているようだ。

じゃぁ、レオは?

電話越しにはわからなかったけど、あの場に松田と一緒にいたのか?

それに松田の携帯をレオが持ってたし・・・。

ちょ、ちょちょちょちょっと待て!!!

松田とレオの関係ってどんな関係!?

真由からの情報では松田に彼氏はいないって話だったけど!?

はっ!?




「何だ?」




オレが一人で脳内格闘を起こしていると、レオはじっとオレに見られているのに気づいたのか幾分かさっきよりも落ち着いた声で尋ねてきた。




「イヤ!何でもないっ!」




急いでそう言って話を切り上げる。

うん!とにかく真由の情報を信じることにしよう・・・!

めちゃくっちゃ気になるところだけどなっ!




・・・。」

「あっ!シオ大丈夫か?」

「神さまはあっちに・・・連れて行かれたっす。そのまえに、このまま何も食わずに追ってたら死んでしまうすわ。」



そう言ったシオの声はカラカラとしていて、時々息を吸う音がピュ―と聞こえてきた。

そうオレたちが、走りつづけて丸一日。

一人突き進んでいくシオとそれを追うレオ。

そして、それまた2人を追うオレ。

休憩なしでブッ通しで走りつづけて、その間何か食べることも飲むこともしなかった。

今考えるとよくここまで来れたなァと思う。




「レオ・・・この近くに村はねーすか。」

「・・・。」

「・・・・・・あの山・・・確か六の村が近ぇはずだ。」




シオに聞かれたレオは一瞬嫌そうな顔をしたけどちゃんと答える。

『六の村』ってメガネさんが行ってた村じゃん!

てか、あの時この近くって言ったけど、着くまでに3日ってどうよ!?










BEAKTOPNEXT


ぼやき。
原作沿いって難しいね!
今回はちょっと被っただけだけど、漫画片手に難しさを実感。