Red blood No.7 防人(No01)
風を斬る音が聞こえて、頭上を見るとそこには人。
「おまえは神か?」
その人から発せられたのはそんな言葉。
神?
オレが
神?
言われていることがよく分からない。
確か、シオって奴が松田のことを神って呼んでいた気が・・・。
ピ
ュドン!
「プラ吉!?ちょ!何してんだよ!!!」
目の前はプスプスと黒い煙。
あ
のときの機械でも壊れて動かなくなったのに、目の前にいたのは人じゃなかったか!?
プラ吉の光とか当たったら即死?
煙はまだ晴れてなくっ
て相手がどうなっているのか分からない。
俺、この歳で殺人犯になりたくないんだけど!
ビュン!
「っ!?」
今度は、オレの方に何か飛んできて足元すれすれに突き刺さる。
「もう一度聞く、おまえは神か?」
「ちっ違うつーの!オレはただの人間だって!」
「人間なのに何故オレの防人
の印が反応する?」
相手からピリピリ伝わってくるのは殺気。
オレは睨まれたようにそこから動けない。
だいだ
い防人ってなんなんだよ!防人って言ったらあれだろ!
東の方から九州地方を守るために送られてきた兵士のことだろ!
ってことは、ココは九
州なのか?
目の前の相手が来ているのはボロボロだけど着物でそれは日本特有の服装。
着物っていつだっけ?江戸時代?
あっ、
分かった。ココって、天人とか真撰組とかがいる世界?
それなら機械がうようよ存在しているのも理解できなくはない。
その相手が着ている着物
の肌蹴たところから少し見えたのは、微かに光る淡い光。
それは相手が言っているように何かの印みたいだった。
「この
世に、神が二人存在するなど信じがたいが、まぁ神が二人いることは今の俺に関係ない。貴様ついてきてもらうぞ!俺の願いを叶えるために!!」
「うわ
っ!」
足元の地面が急に遠ざかっていく。
体は宙に浮いていて、筋肉がある腕がオレのことを掴んでいた。
自
分が何処かに連れ去られようとしているのがわかったオレは、必死に腕の中でもがく。
一体、何処に連れて行くというのだ。
「ちょ!何処行くんだよ!」
「蜘蛛の糸。」
「はぁ?とにかく離せ!!!オレは神でもなんでもねぇし!」
「間違ってても、連れて行く。おまえが何者であるかも蜘蛛の糸につけばわかるだろう。」
「どうゆうことだよ!わけわかんねぇ!」
確かに飛んで向っている先には、さっきの宙に浮いている建物。
アレが『蜘蛛の糸』なのだろうか?
今は、腕の
中で大人しくしているプラ吉を落とさないように抱きなおす。
それでも『蜘蛛の糸』に行ったら何か嫌なことが起こりそうで、必死に抵抗した。
ビュン!
「うわっ!!」
「ゴホゴホゴホ。」
て言うか、頭から砂に突っ込むのは何回目だよっ!
今度は下から攻撃があったみたいで、それに驚いた自称防人がオレを放し
た。
その所為で、下の砂漠へ真っ逆さま。
プラ吉を抱えているため手も使えず、またもや頭からダイブしたというわけだ。
ホント、下が
砂でよかった・・・。コンクリだったらどうなってたか・・・。
口に入った砂を吐き出して、周りを見るが攻撃の所為で回りは煙だらけで何も見えない。
やっと晴れたかと思ったらそこにあったのは二人の人影だった。
宙に浮いてるのはオレを落としやがった自称防人だろ?じゃ、あの地面に立ってるやつは?
多分こっちに攻撃してきたやつだと思うけど、よく見るとあれは人?
何か、宇宙人ぽいんですけど?えっ?なにアレ?
宇宙人なら宇
宙オタクに見せたら狂喜するなぁ。
ん?それともあれは、被り物をつけているだけなのか?
「大丈夫ですか?」
「えっ。あっ、大丈夫です。」
いきなり声をかけられて驚いたが、どうやらオレを助けてくれるために自称防人に攻撃を仕掛けたよ
うだった。
イヤ、助けてくれたのは嬉しかったけど、もうちょっと優しくしてほしかったなぁ。
「あなたは、無関係な人に何をし
ようとしているのですか!」
「もしかして、おまえ"神"についてまだ聞いてないのか?」
「なんですかそれ?とにかく、一般の人に危害を加えるの
はやめなさい。」
「そいつは、一般の人でもなんでもねぇよ。印が反応している以上"神"だ。」
イヤイヤ、オレは一般人だ。
そこらへんにうようよいる一般人。
あっでも、ココらに人はいないか。
初めて会ったやつ(=自称防人)はオレを無理矢理連行しようとしてたし、二人
目は宇宙人もどき。
えっと、オレっていま地球の砂漠にいるんだよな?
目の前でされる言い争いをボォーとしながら聞く。
「防人は皆を守るためにあるものですよ!」
「はっ。なんだそのキレイごと。」
言い
争いがヒートアップするかと思った瞬間、宇宙人から攻撃が繰り出される。
頭についていた角みたいなものをブーメランのように相手に投げつけた。
それを器用に避ける自称防人。
「チッ。今日は間が悪い。出直す。」
それだけ吐き捨て
ると、自称防人は機械に乗って去っていってしまった。
と、とにかく強制連行はされなくてすんだんだよな?
わけがわからないと白黒しているとオ
レのほうに歩いてくる人。
えっ?こんな人いた?
その人は眼鏡をかけたやさしそうな人だった。
「怪我はありま
せんか?」
そう言った声はさっきの宇宙人の声で、その人の近くにいるのは宙に浮いているこれまた未確認生命物体。
そ
れには、リサイクルマークは入っていなかったが、模様が宇宙人のものと似ていた。
もしかして、さっきの宇宙人はこの人だったのか!?
「どこの村の人ですか?人はには村の外は危険で外には出ないはずなんですけど・・・」
「・・・イヤ、オレ迷ってココに来ちゃっ
て・・・」
村?どこの村って?
基本的に村にいるひとは外にでないらしい。それでか、人がココらにいないわけは!
てか、どこの村って聞かれても答えられない。
日本村って答えるべきなのか?
そんなことを考えていると、相手にもオレがわけがわか
らないって顔をしているのがわかったようだ。
「旅人ですか......この近くにあるのは【六の村】ですね。私も先ほど行ってみましたがあそ
こは防人を嫌っているようで・・・。旅人であるあなたなら大丈夫でしょう。この先を真っ直ぐ行けば六の村に着きます。」
「あ、ありがとうございます。」
旅人じゃなくて、強制的に砂漠につれてこられた人なんですがね。
でも、くわしく教えてくれたその眼鏡の人にお礼を言う。
これで、人に会える!
「じゃ、僕はこれから次の村に行かなくちゃいけないから付き合えないけど。気をつけてね。」
そう言って去っていく人にペコリと頭をさげた。
なんていい人なんだ!宇宙人もどきだけど、自称防人とは全然違う!
ココに来て会った優しい人に感激しつつプラ吉を持って教えられた方向に歩く。
てか、真っ直ぐって砂漠の中じゃ、すぐにわからなくなるって!!!
何も目印もない果てしない砂の塊の中、内心涙を流す。
BEAK + TOP + NEXT
ぼやき。
はぅ。やっと人物キャラ登場しかし初がカ
フさんだとは。
イヤ、しかしカフさんとアランはココで登場しないといつ登場するか!
(つまりは、もう登場しないかもしれないと・・・・
まぁ、カフさんは原作
沿いでやっていくつもりなので
後でもう一回出てくるつもりなんですけど
アランはねぇ?接点がないんですよ!!!!
神さまも映像であっただけだし!
と、とにかくムリに登場してもらいました・・・。
目指せ!防人全員制覇!