Red blood No.3 砂漠(No23)





フッ!





「ゲホゲホゲホッ。うわっ、口の中まで入ってきてるし!」





自分の口の中まで入ってきている砂をゴホゴホと咳き込みながらだす。

てか、何なんだよ!

いきなり闇の中に妙な手に引きずり込まれたら砂の中にボフっと投げ込まれるし!

それも頭からだぞ!!頭から!!

その所為で服にも砂がつくし、てか服の中に多少砂が入ったよな!

ぜったいに、ぜぇーったいに!!!

頭も砂だらけで、犬のようにフルフルと振ってもなかなか違和感が取れない。

うぅ。何なんだよ!

・・・・・。

んっ?・・・!?

砂!?はぁ!?

なんで砂なんかにオレ、頭から突っ込んでるんだよ!?

普通、地面って固いし、コンクリートのところが多いぞ!?

イヤ、コンクリートの上にゴフっと落ちるよな。

(てか、コンクリートだったらもっとすごそうな音がしそう・・・・。)

・・・・。

それは、それでイヤダー!!!

それだったら、こんな風に砂だらけにならないし、血だらけ?

・・・・。

うん。うん、話を戻そう。

砂って、オレ今砂場の真ん中にいんのか?

だいたい現代社会で砂がゴフっとなるくらいあるところは、アレだぞアレ!!

砂場しかないぞ!!

と言うか、誰が好き好んで、砂場の中に頭から相手を突っ込むんだよ!!

そんな迷惑な相手を一目拝んでやろうかと、オレはバッと振り向く。





「はぁ?」





自分の口から出た言葉はなんとも間抜けな声で、

後ろを振り向いたが、空間の裂け目もなかったし、あの奇妙な手の持ち主もいなかった。
どういうことだ!?

てか、心なしか見渡す限り何もないような気がする・・・・。

ちょっと待て!!

砂場つったら公園だよな、公園つったら遊具があるよな。

そんな遊具のカケラもないぞ!?

見渡す限り、何も無さそうなのは気の所為だよな。気のせい。キノセイ・・・・。





サハラか!?

ココは、サハラ砂漠なのか?

ピラミッド?

ピラミッドなら見てみてぇ、王の墓なんだよな。

たしか、そこらへんがトラップだらけだったり、入った奴がいろいろ呪われるんだっけ?
アレ?

っんで、スフィンクスの目線の先にはたしかケンタがあるんだよな。

ん?ん?えっ?

まず、サハラ砂漠ってエジプトだっけ?アレー?

そんなことをつつうらうらと考えて現実逃避をしてみたりもする。

煤I?砂漠!?待て待て待て!!

もしかして、ココがサハラだとして・・・・





ガシャン!





っ?ガシャン?





ガシャガシャガシャガシャ。





だんだんオレの方に、機械が歩くようなガシャガシャという音が聞こえてくる。

オレは怖いながらも、ギギギっとゆっくり見えない後ろの方に首をまわした。





「ギャー!!!ココぜってぇサハラじゃねぇ!!!!!」





うおっ!砂の上って走りニクっ!

足元の砂に足を絡み取られながらも、オレはその中を全速力でダッシュする。

靴の中に砂がどんどん入ってきているけれど、そんなの気にしちゃいられない。

後ろには、アルミ、スチール、ペットボトル!

っと、言っても飲み物が入っているアレじゃなくて・・・・





「ギャー!増えんな!!!」





どんどん、数を増やしていくアルミ、スチール、ペットボトル。

のマークが刻まれている、何かコードがうにょうにょとでているわけのわからない物体。
はぁ?何なんだよアレ!!

てか、ぜってぇココ、サハラじゃねぇ!まず、ありえないぃ!!!

サハラに未確認生命物体が現わる☆

なんて、聞いたことない。

ナニ。アレか!?もしかして、ゴミの分別が悪かったから、怒ったアルミやらスチールやらが進化したのか?歩けるように!?






ガシャガシャガシャガシャガシャ。


ガシャッ。





「うお。と、止まった?」





ガシャガシャという音がしなくなって後ろを振り向いてみると、何故か動きを止めているアルミ、スチ(長いから以下省略っ!

助かったのか?





ガシャ。





「げっ。」





未確認生物物体が次に行動したのは、自分の体の一部をガシャと言いながらパカっと開くこと。

その開いたところに、なにか銃系等のモノが見えているのは気の所為であってほしい。

タラーンっと冷や汗を流してオレは体が固まってしまった。

とにかく、ココは何処なんだ?

未確認生命物体の体から見え隠れしているのは、複数のコードとネジetc・・・

コードやネジがあるってことは、アレはロボット=機械?

でも、今の地球の技術じゃあんなにすばやく動いて、おもいっきり自分の意志で人を襲っているヤツなんてできっこないぞ!!!

マジでココはどこなんだよ!!!

オレがそんな風にあせくせしているうちに、ガシャっと止まっていた機械たちは、銃ぽいももの先に光を集めはじめる。

げぇっ!マジで!?えぇ、ちょっとタンマ!

そう思って混乱して動けないオレの目の前で光の玉は大きくなっていく。





ビュン。





風が自分の顔の横を通り抜けた。

オレは、あぁ!風が通ったから涼しいな♪みたいな感覚じゃ全くなくって、

ヒリヒリする自分の頬にゆっくりと手を伸ばす。

さっきまで、冷や汗をだして少しだけ冷たい自分の手が気持ちよくて、

そしてまで微かに感じる自分の脈にホッと安心する。

まだ、光の玉がすれすれで通っていった頬はヒリヒリしていたが、イタイなんて言えず次にどうすればいいか頭をフル回転させる。

すぐ後ろには、砂が弾け飛んで窪んでいるところがあって、

今もそこには砂がサラサラと落ちて穴を埋めようとしていた。

そんなサラサラという音が静かな夜の砂漠に響く。

しかし、目の前の機械たちはまた次の光を打つために、銃の先に光を集めはじめていた。
さっきは、一体しか打ってこなかったが今度は周りにいる全ての機械が光を集めていた。
闇のように暗い砂漠に、綺麗に光の花が咲いた―――――・・・・・・・・・














「はぁはぁはぁ・・・・。」





また静かになった砂漠の夜に俺の息ぎれする音だけが響く。

もう、追ってこないよな!?

岩陰から顔をひょこりと出しながら辺りを見回した。

遠くの方でまだガシャガシャといっているような気がするが、この辺りには機械たちの影はなさそうだ。

つーか、マジでココどこだよ。

ドサっと砂の上に足を投げだし座り込む。

あんなにすばやい動きをする未確認生命物体から、力の限り逃げてきたオレの足はヘロヘロでもう動いてくれそうにはない。

ぜってー、アレはオリンピックの金メダルもんだよ!!

絶対にあのスピードでオリンピックにでたら金メダルがもらえる気がする。

肩にからっているリュックをドサっと降ろして、中からペットボトルに入った水を取り出す。





「はぁー。」





ため息を一つ吐いて夜空を見上げた。

空からはTVのニュースであったようにたくさんの星が流れてくるわけもなく、星がキラキラと輝いていた。

町のように高いビルも何もない砂漠の空は、いつもより沢山の星が見える。

夜空を見上げながら宇宙にいるみたいだと、ふと思った。





「さむっ。」





寒い!砂漠は昼間と夜の気温差が激しいと聞いたことがあるが、これはマジで寒い。

そこらへんを走れまわって汗をかいて暑かったので脱いでいた上着を羽織り直す。





ボトッ!」」」」





「あっ。」





ボトッと音がして、上着のポケットから落ちてきたのは自分の携帯。

携帯あんじゃん!これで連絡がとれる!と思い急いで携帯を拾い上げる。

んっ?ちょっと待て、砂漠って電波通ってたっけ?

圏外だったらかかんねぇじゃんという不安を抱えながら携帯を開く。





「うしっ!」





携帯の画面には電波が3本立っていて、よしっと手を握った。

オレの知識では砂漠では電波は通ってなかったような気がするが、

(だって、山奥でも通ってないところがあるんだぜ)今は、そんなことは気にしちゃいられない。

ポチポチっとボタンを押して、電話帳から相手の番号を探し出す。





プルプルプルっと耳に携帯をあてると向こうから機械の音が聞こえてきた。

プルプルプルプルプル―――――。








「ぐわっ!ぜんぜん繋がらん!!!」





ブチっと怒りながら携帯の電源ボタンを押す。

電話の方もプチっと切れて、向こうからは何の音もしなくなった。

はぁ?どういうことだよ!!!

ココは圏外じゃないんだろ!なのになんで繋がんないんだよ!

3本だぞ3本!!!

アンテナ3本!!

携帯に裏切られたような気がして、1人で携帯を睨み付ける。

まぁ、携帯が生きていることはないので向こうはうんともすんともいわなかったが。

オレは自棄になってきて、手当たりしだいに携帯に入っている奴に電話を掛ける。

家にも掛けたし、親のにも掛けた。真由にも掛けたし、多分オレが行っていないことで怒っているだろう宇宙オタクにも掛けた。

しかし、どの電話にも繋がらず向こうからはプルプルと機械の音が聞こえてくるばかり。




「はぁ。ゼンメツ。」





結局、電話帳にあった奴のすべての電話に駆けてみたが、向こうからは機械の音が聞こえてくるだけ。

はぁっとため息をついて、ポイっと携帯を投げ出した。

携帯を持ってても、繋がらなかったら意味ねぇ。

家で松田に掛けてみたときみたいに、いつまでも機械の音が聞こえてくるばかり・・・・。





「ん?」





そういえば、松田の携帯には繋がるのか?

宇宙オタクに付き合うために、外にでて電話を掛けたことを思い出す。

そういえば、アレって松田の携帯から変な声が聞こえてきたんだよな。

携帯をのそのそっと取って、松田の番号に掛ける。

もしかしたら、さっきの声が聞こえてきて、ココが何処だかとか、もとのところに帰れるかもしれない。

そんな期待を抱きながら、通話ボタンを押した。








BAKETOPNEXT







ぼやき。

サハラ砂漠に到着!!