Red blood No.2 闇(No41)




やっと知っている本屋を十数件まわって

最後の一冊!という本を見つけたオレはちょっとルンルン気分で帰りの道を進んでいた。

その時は、けっこう日が傾いていて今日は時計を持ってきていないけど

もうすぐ夕日が沈むっていう時間だった。





シャー―――・・・……





「っ!?真由ー!!」

「???」





オレは前方に一人歩く真由を見つけて急いでそこまで行く。

一人で歩いている真由の姿が近づいていくだびにオレの中の不安が

どんどん大きくなっているのがわかった。

でも、もしかしたら今日は別々に帰っているかもしれないし

すでに道を分かれたのかもしれないと思い直し、真由との距離をいっきにつめた。





「真由、どうだった?」

「っ!!あんたの登場の仕方いつもビックリするわ!もう少し静かにできないわけ!?」

「で、どうだったんだよ。」

「それが、まっちゃん学校にもいなかったのよね。連絡もないし学校にもいないってことで、もしかしたら病気かなって思って、今からまっちゃんの家に行こう と行くけども行く?」





松田が病気!?

それってヤバイんじゃ・・・。

なんて不安に駆られてたのが真由にもわかったのかオレの顔を見ながらそんなことを言って来る。

オレは返事をする前に自分の自転車から降りた(実際は母親のだけど...)。

真由は、は?ってわけのわかんないような顔をしてこちらを見ているが今のオレにそんな暇はなかった。





、行かないのなら私は早く行きたいから一人 キャ!

「真由、松田の家ってドコにある?」

「わわわわっっっ!!!」

「はぁ?何言ってんのか全くわかんねぇ。」





ゴンっ!そんな音が本日二回目鳴って、またオレの頭の上に星とヒヨコが回りだす。

てか、よくこの状態でオレ落ちなかったよな…。





「テッー!おまえ!」

「ちょ、速い!速いからスピード落としてよ!!!」

「だって、早くついたほうがいいんだろ。」

「わぁーーー!!!っ、そんなこと言ったってレディーを強制的に後ろに乗せて何してんのよ!それに、まっちゃん家に行くための角はさっき過ぎた!」

「バッ!?それを早く言えよ!!だいだい真由のどこがレディーなんだよ!」





そう。1回自転車から降りたオレは、真由を後部に乗せてダッシュで自転車をこいでるってわけだ。

後ろで、キャーキャーとか言っている真由がいるけど風圧でようわからん。

てか、曲がり角ぐらい早く言えよな!

オレはすぎすぎた角を曲がるために急ブレーキをかけながらUターンする―――・・・……












ゴンっ。


「イテッ!おまえなぁ!それ以上叩くと、オレの頭が馬鹿になる!」

はもともと馬鹿なんだから、それ以上馬鹿になることはないでしょ。」





松田の家からの帰り道トボトボと2人並んで歩く。(←ココ重要!!!

帰りもオレが自転車乗せてやろうかって言ったのに

こんにゃろうっ!返事の代わりに思いっきりブチやがって!!

本日四回目だぞ!よ・ん・か・い・め!!!

言うかのごとく、3回目は松田の家についてからすぐに叩かれた。





「家出とか?」

「なんでそうなるのよ!!だいたい、まっちゃんが家出する理由がないでしょ。」

「あるには、あるぜ。」

「はぁ?何よ。」

「やっぱし、真由が毎回毎回チコク寸前でくるのが悪いんじゃねぇーの?」

「んっなことない!!まっちゃんに限ってそんなことないでしょ。」

「じゃ、何なんだ?」

「んー。」





松田の家に押しかけて行ったオレらは急いでインターホンを鳴らしたのだけれど

でてきたのは松田の母親だと思われる人だった。

2人で松田のことを尋ねてみると、「朝、真由ちゃんとの待ち合わせに出て行ったきりよ。」

と答えが返ってきたのにはビックリした。


自分で、家出とか言ってみたけど、ほんっと松田ってそんな感じしないしなぁ。

どうしたんだろ。





「んー。誘拐されたとか?まっちゃんカワイイから。」

「はっ!?まじで!?それだったら、ヤバイって!!」

「何そんなに焦ってんのよ。大丈夫だって、もし夜になってもまっちゃんが帰ってなかったときは連絡しましょ。たぶんもまっちゃんも気分転換にどこかふらり と行っているだけじゃないの。そんなに心配しなくて大丈夫よ。じゃあね。」





家の前に来たので真由は自分の家の中に入っていった。

おまえ友達だろ!?心配とかは!?とか思ったけど、

家の中に入っていく真由の後ろ姿がすごく寂しげで、オレは何も言えなかった。











自分の部屋に入ってジャンプを机の上に置く。

そのかわりに、充電していた携帯を取り真由に教えてもらった松田の番号を入れた。





「本当にかからないのか?」





一人ぼそりと言って、発信のボタンを押す。

でも、電話からはプルルルルと機械の音しか聞こえてこなかった。

ふぅと、ため息をついてベットにボスっっと倒れこむ。

ホントに松田誘拐されてねぇだろな。





〜♪〜〜♪〜♪





「!!!」





先ほど松田に電話を描けていた携帯がプルプルと鳴ってビクッと体が跳ね上がる。

松田!?





「もしもしっ!!」

「はぁ?何あせってるんだよ。あぁ、松田か真由からか電話待ってたのか?」

「っ!!何で、松田か真由なんだよ!」

「んっなことは、どーでもイイ。、今日流星群が見られるのは知っているだろ。」





どうでもイイ!とは何だ!!

てか、クラスの奴がみんな知ってるって真由に聞いたときは半信半疑だったけどマジだったんだ・・・・。

それ以上に、この電話が松田からじゃなくて、友達の宇宙オタクからとは!!

今電話がかかってきたってことは、アレだよな。

今回もオレはコイツに借り出されるのか!?





「そんでさ、もしかしたら、この流星群に乗って宇宙じ「ヤダっ!絶対に行かねぇからな!」





奴の誘いにのったら最後。

変な、踊りまで踊らされるぞ!!

だいだい。そんなことで、宇宙人がくるわけないだろ!!

あれは、誰も見てないと分かっていてもハズイ。





「そこをなんとかぁ〜!」

「ウルサイウルサイ!!」

「「●×△□*+!・・・」」

「ちょっと静かにしなさい!」

「「・・・・。」」





2人して、やれ、やらんの攻防だったが、下の部屋に響いたようで母親から一喝される。





「じゃぁ、一緒にいるだけもいいからさ。実はもう丘にもう丘にきてんだよな。」

「はぁ?」

「んっで、一日中そこにいるつもりだから、なんか食べ物とか持ってきたほうがいいぜ。」

「ちょっと!まって!オレ行くなんて一っ言も言ってないぞ!!」

「あぁ!それと、水!水!宇宙人と交信するのに水が必要だから、ぜってぇ忘れずに持って来いよ!じゃ!」

「ハッ!?」




ツーツーツー。





・・・・・。

何なんだソレ!?

オレって強制参加なのか!?

聞き返そうとしたけど、携帯の向こうから聞こえてくるのは機械的な音。

はぁ。っとため息をついて壁にかけてある上着を羽織った。










暗い闇の中を重いリュックを背負って歩く。

結局、友達のために重い荷物まで持ってやってきたオレって優しくないですか?

友達がいる丘の入り口は狭いので自転車でいけない。

はぁ。っとため息をつきながら夜道を歩いた。

やっぱり夜道は寒くて、ため息の息も白く染まる。

だいだい今日一日、オレってなにしてんだよ・・・。

ジャンプ買って、松田の家まで行って・・・・。

んっ?松田!!!

いくらなんでも、この時間は家に帰ってるよな!?

携帯を急いで取り出して松田の携帯にかける。




・・・・・。





「......イ...ロスト...プ...」















・・・・。




はぁ?

電話の向こうから聞こえてきたのは、さっきみたいな機械的な音でもなく

松田の声でもない.....。
















「コィ.....ストエイ....」















さっきよりも幾分か聞きやすくなった声に耳を傾ける。
















「コイ...ロストエイプ.....来い 失猿!来い!!!
















ろすとえいぷ???失猿?

何だソレ???

電話から聞き取れた声は、しゃがれた潰れたような声で「来い」って?

ドコへ行くんだよ?
















「!!!!?」

「来い 失猿!!!!」
















その言葉と一緒に何かに捕まれたようにオレの体が傾く。

ええぇえ!?

オレの方を掴んでいるものを見ると、黒とも赤とも言えないような手。

ちょっと待て!これは、どうゆう展開なんだ!?

オレの体を掴んでいる手は、空中にできている裂け目からでてきていた。

その向こうは、暗い黒い闇。

手を解こうと、ヤケになるオレだけどその手は力強くオレを掴んでいてどうしようもできない。

くっ...。

アレか、アレ!!!

避けているのが、空間じゃなくてっ。

後ろに扉があったなら、両手でパンっってやるだけで、

いろんなものが練成できちゃうようになれるように、

この世の本当の理をいまから見に行きます!って展開じゃないよな!?

オレは、ヒトなんて造ろうなんって全く考えてないぞ!!!

てか、まずやってねぇ!!!

この空間の向こうに行ったら、もう一人のオレにご対面v

ってことになんないよな!!!

あぁ!そんなことよりも、せっかく数十件本屋を回って手に入れたジャンプまだ読んでねぇ!!!

オレの苦労はなんだったんだ!?

机の上に置きっぱなしだから、明日になったら親に捨てられてるかも!?

マジやべぇ!!!シャレになんねぇ!!!

そんなことを思っていると、だんだんと空間の裂け目にオレの体は近づいていって.....








BAKETOPNEXT







ぼやき。

鋼の世界にご招待v
イヤ、そんなことにはなりませんとも....
そんなことは.....ピゥ〜♪(口笛