「あのー。・・・その手に持ってるものは何ですか?」
「えっ?アレン知んねぇの?ジャーパニーズ“大豆”オー!“豆”ネ」
「イヤ、そんな変な言葉言わなくてもで見れば分かるんですけど・・・」
「んっ?なら何で、んっなこと聞くんだよ」
「イエ、僕が聞きたいことはそう言う事ではなくてですね・・・なんで、その大豆をが僕に投げつけようとしているかってことでして・・・」
「そりゃ、決まってんじゃん」
「えっ?」
「今日が節分だからに決まってんじゃんか!つーことで、鬼は外ォー!」
「ギャー!!!」
握り締めていた豆をはアレンに向かって思いっきり投げつける。
Let's scatter beans!
「な、何なんですか!?」
の豆攻撃から命からがら逃げてきたアレンが今居るのはコムイの執務室。ぜぇぜぇと息を切らしながら床に手をつく。
「あー。アレンくんもの被害にあったの?」
「そうですよ!何かと思ったら、持ってた豆をいきなり投げつけられて!」
コムイがコーヒーを飲みながら聞くと、アレンは怒りを思い出したのか大声で叫びながら言う。
「なんか今日はの居た日本で言う“節分”なんさー」
同じようにコムイの執務室にいたラビが言う言葉に、アレンはそう言えばも“節分”がどうのこうのと言ってたなと思い出した。
「なんなんですか、その“節分”って」
「俺も詳しくは知んねぇんだけど、日本で行われている年中行事の一つらしいさ」
「豆を人に思いっきり投げつけることがですか」
日本には行ったことはないが豆を思いっきり人に投げつける年中行事とは何なのだろうとアレンは思う。少なくとものアレは年中行事にするには相応しくないような。
「いや、本来は季節の変わり目には邪気が応じると言われていて、豆を撒くことでそれを追い払い一年の無病息災を願う」
「うわっ!神田いたんですか!?」
「居たら悪いのか」
「いえ・・・そんなことはないですけど・・・」
ギロリと神田から睨まれたじろぐ。
「神田くんもの被害者」
「うわー」
「で、その神田の話を聞いた限りじゃ、ものすごーく安全な行事に聞こえるけど」
「そうなんだよね。毎年この日になるとあんな感じなんだよ」
「「えっ?」」
いつも以上にハイテンションで豆をぶつけてきたを思い出したアレンもラビも疑問の声をあげる。あの豆の投げてきかたは少し自分たちに対する殺気も入っていたような気がする。
「あぁ、アレンくんは最近ここに来たばっかりだし、ラビも前回は任務でいなかったよね」
だからね、この日になると“豆撒き”に事かけて、教団内の人に無差別に豆を投げつけまくるんだよ。
そう続けるコムイに、アレンとラビは固まった。
((それって何っ!?))
「おっ!こんなところにいたっ!」
ギィーっと音がして開くのは執務室の扉。その向こうに見えるのは嬉しそうなの顔。
「鬼は外ォー!」
そう言って続けて自分たちの体にぶつけられるのは大量の豆。
「イタっ!」
「!やめるんさー!」
「なんで、そんなに豆投げつけてくるんですかー!」
「おもしろいからに決まってるだろ!それにストレス発散!鬼は外ォー!」
((っ!?そんなことで!?))
はっきりと言い切るに二人は口をあんぐり開ける。ついでに言うとコムイは自分の机の下に避難中。
「テメェ!」
「おっ!何、神田?」
「毎年毎年、うぜぇんだよ!やるんなら被害がでないようにやれ!」
神田が自分の周りに落ちている豆を拾ってに投げつける。
「そんなんじゃ、おもしろくねぇし。節分は鬼に向かって豆投げるんだろ」
「俺は鬼じゃねぇ」
「まぁ、そんなことどーでもいいじゃん」
「このやろっ!」
飛び交うのは豆豆豆豆。
「イタッ!神田何するんですか!」
「避けきれなかった、テメェが悪い」
「何ですかそれ!理不尽な!」
豆豆豆豆。
「三人ともやめるんさ!ってイタッ!」
「あはははっ。鬼は外ォー!」
「あぁ!もう!そっちがやるなら、こっちもやってやる!」
豆豆豆豆。
「っ!イノセンス発動っ!」
「ちょ!ー!?なにイノセンス発動してるんですか!?」
「戦いにはぜってぇー勝つ!」
そう言ったはマシンガンに豆を詰め込む。
「つーことで、死んでこい!」
ドドドドドドッ!
「ギャー!それは卑怯!」
「テメェ!!表にでろ!」
豆豆豆豆。
マメマメマメマメ。
まめまめまめまめ。
豆が飛び交う。
「ジェリーさんが恵方巻つくってくれたから貰ってきたんだけど・・・」
リナリーがみなが執務室にいると聞いて扉を開けると、そこには床に大量に転がっている豆だけ。
「兄さん、たちは?」
「なんか豆大戦し始めちゃって、豆投げながら出て行っちゃったよ」
よく耳を済ませば、バシバシと何かが大量に壁に当たる音と怒声。そして時々、ドドドというマシンガンの音。
それを聞いてリナリーが思ったのは、誰が教団内に大量に散らばっていると思われる豆を拾うのかと言うことだった。
鬼は外?福は内?