「あ、そうだ。」

「何ですか?ハボック少尉。」

少佐の歓迎会、まだやってないッスよね、ホークアイ中尉。」

「それもそうねぇ・・・」




「だから、俺達でやりません?」

「いいわね、それ。」



ハボックとホークアイの中のみで成立した会話。

しかし、すると言えばこの二人ならするだろう。



「何?! の歓迎会だと?!」

「えぇ、でも大佐のこの仕事の量じゃ・・・間に合いませんね。

私達だけでやりますので、どうぞごゆっくりお仕事なさっ てください。」


親切心か、はたまたこれが策略か・・・。

ホークアイは『では』と一礼して、部屋を出て行った。


「・・・片 付けてやろうじゃないか!」


中で気合を入れたロイが居るとは知らず・・・。



「歓迎会?いいじゃないッスかそれ。」

「僕達も賛成ですよ。」


二人はブレダ、フュリー、ファルマンにそのことを伝える。

しかし・・・肝心の人物は居なかった。


「じゃ、今日の晩ね、あ、まだ本人には言っていないから・・・。

だけど、 は?」

「あれ?さっきまで居たんですけどね?」

「俺探してきますよ。」

「頼んだわ、ハボック少尉。」


ハボックは 急いで を探すことにしたが、一行に見つからない。

仕方なく中庭に出ると、幸運にもそこへ居た。

声をかけようとしたが、どうも声が出なかった。


これが、『見惚れる』って奴だろう。


後ろから見た の姿はやはり綺麗だった。


少佐!」

「ん・・・?あぁ、ハボック少尉。どうしたんだ?」

「あ・・・えっと、今日の夜皆で歓迎会しないか、って話になってるんです。

来れますよね?」

「・・・勿論。ありがとな、わざわざ。」

「いえ・・。」



ハボックの横をすれ違い、 は司令部の建物内に戻る。

随分と惚れちまったみたいだなと、ハボックは自嘲して、少し後にハボックも建物へ戻った。



その 晩。

歓迎会は開かれることになり、全員が支度を始めたトコロだった。


「あれ、大佐終わったんスか?」

「ふっふっふ、ぬ かりはないぞ、ハボック!」


ロイの部屋のデスクを覗くと綺麗に片付けられた書類がずらり。

確固たる執念と言えようか・・・。


「毎日がこれなら俺達も苦労しないのにな。」

「そうよ、 。」


の言葉に同意を述べるホークアイ。

どこに行ってもロイは無能だと言う事だ。


「さて、行こうではないか!」

「何今更シキっ てんスか。」

「むっ・・・私は君達の上司だぞ!!」

「無能、を忘れてるぞ。」


重量級の重石がロイに降るのは何時もの 事・・・。

所詮毒舌には叶わない・・・。



「所で、何で今更歓迎会なんか・・・?」

「どうせなら、やったほうが いいじゃないッスか。

それに、大佐と違って 少佐は有能ですしね。」


ぷっ・・・

とその場に笑いが漏れたのは言うまでもない。

無論、本人のロイを除いてだ。



幾らか時間が経った後、ようやく店へと付いた。


少佐が未成年、なんて落ちはないですよね。」


若干本気にしたようにブレダは に問った


「勿論、一応成年はしてる。・・・けど・・」


『けど?』


全員が聞き返す。


「飲ませない方 が・・・いいかも知れねぇ。」


ボソリとそんな返事が返ってきたが、何故だかサラリと流す方向で事は進む。


勿論、 も飲んだ。


これから起こる悲劇など・・・誰が予想しただろうか?



「あ・・・雨降ってきたわね。

さっきまで晴れて いたのに・・・。」


ホークアイはふと店の窓から外を見、呟いた。


「これじゃ、大佐無能ですね。」

「・・・・煩いぞ・・・。」



はっ・・・所詮無能の分際が・・・。


ボソリと、何か聞こえた。

誰もが身を固め、声の主を探した。

言わずとも・・・あの人だ。


『飲ませない方が良い』とはこういうことか・・・!!


全員が瞬時に理解する。


・・・?」


気にしたロイは の肩に触れる。

それが引き金だった。


・・・さわんじゃねぇこの無能が・・・。

大体なんでいつも貴 様はそうなんだ!何時も何時も大量に書類を溜め、

挙句に俺達に回しやがって・・・。こっちがどれだけ苦労してるか知ってんのか??

自 分だけは良い思いしやがって、そんな奴が・・・


大総統になれると思うなよ!



「・・・あ、大佐の意識が飛んでいってますよ・・・。」


勇敢なハボックはロイにツッこんだ。

どうやら、被害が及ぶのはロイのみらしい。



「なんか、凄いことになったわね・・・。」

「当の本人は納まったみたいッスけどね。」


そう、当の本人 は寝ていたのだ。

やはり、飲みなれてないと言う奴か。


「だけど、 少佐の新たな一面発覚って奴だな。」

「僕達に被害が及ばなくて良かったですよねー。」


ブレダとフュリーも言う。


「また今度、皆で飲みに来ましょう。」

「いいッスね、それ。なんか面白いですし。」



「で、 は如何するのだ。」



『あ、おきたか』みたいな目線を皆は送る。

に散々言われ意識が飛んでいたものの、誰にもかまってもらえ無い所為か、

自ら復帰したロイ。


「私なら の家を知っているが?」


「大佐に任せると先行き不安なのは俺だけっすかね?」


おどけた声で言うハボックに全員が同意した のは言うまでもない。


「ん・・・・ぁ・・・?」


、大丈夫?」


「もしかして俺・・・またやっちまったか?」


「えぇ、ばっちりと。」


「・・犠牲者は誰だ?」


「大佐よ。」








「・・・なら良い。」










いいんかい!!






「それに大佐・・・なんで俺の家を知ってんだ・・・?」




「それは勿 論上司として―――


・・・聞いていたのか・・・?今の会話を。」



「勿論、ストーカーさんに襲われない為にな。」




やはり、一枚も二枚も上手な には誰も敵わないのだ。

大爆笑の渦の中、歓迎会は幕を閉じる―――









アトガキ

5000HIT企画・・・リオ様リクエスト
リクエスト内容は東方メンバーで飲み会!


ふ・・なんじゃこりゃ・・・。
リオ様ー・・・こんなので良 いんでしょうか・・・?
書き直しなら受け付けますんで・・・!!
どうぞ遠慮なく仰ってくださいねッッッ!!
ヒロインさんは酒が入ると毒舌に磨きが 増す設定デス。
こんな駄作をごめんなさい・・・



月の欠片主管理人:ヤマト

ヤマト様へ
素敵な夢をありがとうございます!
お酒が入るといつも以上に舌を巻くことを喋ってくれるヒロインに圧倒させつつ
大佐に笑わさせてもらいましたっ!
東方メンバー全員で飲み会と言うことで、たくさんのキャラに会えてラッキー!
ニヤニヤしながら何回も読んでました!(笑
こんな僕のリクエストまで聞いていただけて嬉しいやらなんやら・・・。
こちらから、送らせてもらった鋼主イラも気に入っていただけると幸いです。
ヤマト様素敵な夢を書いていただきありがとうございました!