「こんなもんかな?」 一人頷いてメモを残しはボンゴレのアジトを出た。 息抜き 「えぇー!!?が家出!?」 朝一番。 獄寺から報告を受けたツナが叫んだ。 「そんなんです!さっき部屋に呼びに行ったら鍵が開いてて・・・。コレが」 そう言って獄寺が差し出したメモをツナが受け取る。
そこには確かにの筆跡でそう書いてあった。 ツナは困り果ててリボーンの方を見る。 その表情は読みとれない。 「困ったな・・・。が居ないことに気が付いてるのは獄寺くんだけ?」 「言い切れませんが、そうだと思いま――」 ――バタンッ 獄寺が言い終わらないうちにツナの執務室へともの凄い勢いで入ってきたのは山本だった。 「がいなくなったってどういうコトだ!?」 「はぁー・・・」 ツナは面倒な奴が来たと本日一回目の溜め息を吐いた。 頭を抱えたい状況だ。 「がいなくなったってどういうコト?」 開いていたドアから入ってきたのか、雲雀が不機嫌そうな声で聞く。 ツナはもう一度溜め息を吐いた。 次から次へと面倒な奴が来てしまった。 そして、きっと。 否、絶対にの家出の原因はこの二人なのだった。 「久しぶりー」 ツナが頭を抱えてこの状況をどうしようかと悩んでいた頃、は黒曜3人組の家を訪れていた。 「おや、さん。どうかされたんですか?」 「しばらく泊めてくれない?」 「それはそれは。歓迎しますよ」 ニコニコとを出迎えたのは骸だった。 犬と千種は出掛けているらしい。 骸はから荷物を受け取って空いている部屋に案内する。 連れてこられた部屋のベッドには勢い良くダイブした。 「あー・・・。静かだな、ココは」 は一息吐いて起き上がり呟いた。 「ボンゴレは賑やかですからね」 「賑やか通り越してうるさい・・・。てか、しつこい」 「また、愛の告白でもされたんですか?」 「毎日だよ、毎日。しかも人の話聞かねぇし」 骸はクフフ、との愚痴を可笑しそうに聞いている。 「そんなに大変なら僕たちのトコロへ来ればいいじゃないですか」 「骸、変態だからヤダ」 「酷い言われようですね」 「それにボスのことは好きだし」 「クフフ・・・、そうですか。では、僕はこれから仕事がありますので」 「いってらっしゃーい」 は手をヒラヒラとふってベッドの上から骸を見送った。 「一眠りするか」 呟いてそのままベッドの上に仰向けに倒れる。 そしては惰眠を貪るべく瞼を閉じた。 ――コンコン 「んー・・・?」 「夕食の用意が出来ましたよ」 何で骸がいるんだ、と首を傾げてからは自分がココにいる理由を思い出した。 寝ぼけ眼のまま起きあがり部屋をでる。 「ずっと眠ってたんですか」 「俺は好きな時に好きなだけ寝られる体質なんだ」 骸の問いに答えて大きな伸びを一つ。 「今日は千種が腕を振るってくれましたよ」 「お、マジで。千種の料理は美味いからな。楽しみだ」 骸と二人連れ立って階段を降り食堂へと入った。 食堂では千種と犬が今か今かとが来るのを待っていた。 「おはよう。久しぶりだな」 「久しぶりびょん」 「・・・久しぶりです」 千種と犬はが寝起きなのを知ってか知らずか、『おはよう』の挨拶にはツッコミを入れずに普通に挨拶した。 骸に促されては空いている席に着く。 それに続いて骸もの隣に座った。 「いただきます」 が手を合わせて言ったのに続けて他の3人も手を合わせ食事を始める。 豪華で手の込んだ料理の数々。 前菜のサラダには手作りのシーザードレッシング、パンには自家製のバターとジャム、メインは鶏肉のオーブン香草焼き。 「千種の料理は美味いよな」 「・・・ありがとうございます・・・・・・」 「柿ピー照れてるびょん!」 「クフフ・・・」 和やかな雰囲気で食事は進む。 「いつもだったらこんなにゆっくり食事なんて出来ないよ」 は溜め息を吐いていつもの賑やか(と書いて『うるさい』と読む)な食事の光景を思い浮かべた。 食事も終わり一息吐いて。 「トランプでもしましょうか」 骸が何処からか取り出したトランプをシャッフルする。 「何します?」 「大貧民がいいびょん!」 「あ、俺も大貧民好き」 「・・・大貧民でいいです」 「では、カードを配ります」 そう言って骸がカードを配り親を決めて。 「秘技!革命っ!!」 「・・・革命返し」 大盛り上がり。 が革命を起こしたその直後、千種が再び革命でどんでん返し。 骸と犬は大笑い、は意気消沈。 「、都落ちだびょん」 「えぇーっっ!ちょ、ナシ!都落ちナシ!!」 「クフフ、何言ってるんですか。ルールはルールですよ」 「くそぅ。この俺が大貧民なんて・・・!」 本気で悔しがる。 それでも、楽しそうだ。 滅多に笑わない千種も楽しそうに笑っている(ように見えなくもない)。 「じゃ、次からは何か賭けましょう」 「えー・・・。お前等強いじゃん」 「勝てばいいだけの話しです」 「何か嫌な予感・・・」 「じゃ、僕たちが勝ったらさんはボンゴレをやめて下さい」 「やっぱり・・・!てか、『僕たち』って3対1かよ!!」 「いいじゃないですか」 「良くない」 「じゃ、始めましょう」 再び骸がカードをシャッフルし配り始める。 の話なんて聞いちゃいない。 「ちょっと待った!!!」 「どうしたびょん?」 「俺が勝っても何にも得しないじゃん」 何だ気付いたんだ、というような顔をして骸がの顔を見る。 「俺が勝ったら・・・」 「「「勝ったら?」」」 「・・・この家の鍵くれ」 迷った末にが賭けたのは今此処に居る骸たちの家の鍵。 今回の家出の原因の二人からの避難所にしたいらしい。 骸たち3人はキョトンとした顔だ。 「そんなもので良いんですか?」 「他に思いつかない」 「そうですか。それでは始めましょう」 は割に合わないと思いつつも、他に欲しい物は思いつかないし、骸に口で勝てる気はしないのでもう何も言わないことにした。 「く・・・」 数分後。 はピンチに陥っていた。 此処で負ければボンゴレを辞めなければならない。 最初は冗談だと思っていたもこの雰囲気からコレが真剣勝負だと言うことが分かった。 3人とも目が怖いくらいに真剣だ。 が持っているのは、スペードの3・5・Q、クラブの8、ハートの3・J、ダイヤの7・Q。 千種がスペードとダイヤの6を出した。 はそれに続きスペードとダイヤのQを出す。 これでマルチロックだ。 骸と犬はパス。 千種がスペードとダイヤのA。 その後3人続けてパスした。 「・・・革命」 千種が8を3枚とジョーカーで革命を起こす。 8切りで場は流れ千種の番。 千種の手札は残り7枚で出したのはダイヤのK。 はダイヤのQ、骸がダイヤの9、犬はパス。 「ヤバイびょん・・・」 犬が呟く。 犬の手札は残り11枚。 手札の数が一番多い。 千種がパスしてがダイヤの7を出した。 その後の3人がパス。 はハートのJを出した。11バックだ。 再びその後の3人はパス。 がクラブの8を出し、8切りでスペードの5を出した。 そして3人が続けてパス。 「上がり!」 は勢い良くスペードとハートの3を出した。 骸たち3人は溜め息を吐いた。 「じゃ、合鍵くれな。今度でいいから」 「ま、さんがしょっちゅう遊びに来てくれるならいいですけどね」 アハハと笑ってその日はお開きとなった。 真夜中。 ドンドンと激しく叩かれるドア。 その音では目を覚ました。 何事だろうと耳を澄ます。 「ぅげ」 は誰が来たのか分かって嫌な顔をした。 嫌な顔をしつつもベッドから出てドアを開けた。 「大丈夫かっ!?」 「、何もされてない?」 案の定ドアの向こうにいたのは山本と雲雀でその後ろには困った顔のツナ。 「こんばんは、ボス」 は山本と雲雀を無視してツナに話し掛ける。 ツナの後ろには獄寺とリボーンがいた。 「ごめんね、。引き止められなくて・・・」 「ボスのせいじゃないですよ」 という会話をとツナがしている間にも山本と雲雀は詰め寄ってくる。 「オイ、!」 「ちょっと、聞いてるの?」 は大きく溜め息を吐いた。 「骸たちは?」 「部屋に戻っていったよ」 「そっか・・・」 「何かいつもよりあっさり引いていったけど、何かあった?」 「あぁ・・・。後で説明します。アイツ等のいない所で」 最後の方は小声で山本と雲雀に聞こえないように言った。 そして、はニッコリ笑って言う。 「武、恭弥。お前等が俺に近寄らないなら帰る」 ツナが困ったように笑って、獄寺が眉を顰めた。 後書き。 まずは2周年おめでとう! 黒曜が好きとのことで黒曜中心にしましたが・・・、どうでしょう? 千種が全然しゃべらないので困った困った。 そして山本v.s.雲雀さん。趣味に走ってしまいました。 んで、ポーカーもいいな、と思ったけどルールを知らないから無理だったという・・・。 でも大貧民も面白いよねー。てへっ(ぉぃ) 本当はシャマルとかディーノとか出したかったけど、収拾つかなかったので・・・。無念。 てか、出してなくても収拾ついてないケド・・・。 兎にも角にも読んでくれてありがとうございました! 謝々! ステキな夢をありがとうございます!ホント、サイト続けててよかったっ! 画面の前で悶えてますっ。むっくー!ちくさ!けーん!!(嬉々 ボンゴレの皆様も勢ぞろいでっ。じゅるり。 やっぱ、千種は無口なくせして、強いのですね!(おぃ! もう、お腹がいっぱいですっ。本当、ありがとうございましたっ!ぎゃわ!(壊 |