「なぁ、『BLEACH』って格好良いよな〜」
「は?」
はいきなり土方に抜き打った。
「ぅおわぁっ!」
ちなみに、は居合いの達人である。
それを避けた土方は流石“真撰組副長”といったところだ。
「あ、あぶねぇっ!いきなり、何しやがる!!」
「いやね、さっきまでジャンプ読んでたんだけどさ、『BLEACH』の一護が格好良くてさぁ」
「だからって、なんで俺に斬り掛かるんだ!」
「真似したかったんだけど、俺ってばあんなに大きな刀は持ってないからね。とりあえず、俺の愛刀でトッシーに斬り掛かってみたわけよ」
「わけわかんねえよ。だいたい、真似したいとか言うんだったら、総悟と稽古でもして来い!」
「え〜〜、だって総悟ってば、トッシーを呪うための儀式で忙しいって相手にしてくれないんだもん」
「何ィィイ!?!?」
土方は沖田の部屋へ駆けて行った。
というか、トッシーという呼び方に突っ込みはないのだろうか。
「・・・つまらん。今日はサボっちゃおうっと」
は一言呟くと屯所を出た。
「どーしよっかなぁ・・・」
江戸の往来を歩きながら空を見上げた。
今日は憎ったらしい程に快晴で、サンサンと陽が降り注いでいる。
「あっちィ〜」
はのんびりと歩いて、『万屋銀ちゃん』の前に来た。
そして、トントンとリズムよく階段を登り戸を勢いよく開けた。
「ちーっす!だよ〜ん」
大声で叫ぶと中に入っていく。
「おっ、じゃねーか。どーしたんだ?」
出迎えたのは銀時だった。
なにやら家の奥が賑やかである。
「遊びに来た。今日はサボってて暇だからさ」
「そうか。んじゃ、あがれ」
そして、銀時と長くもない廊下をだらだらと歩く。
「そういや、今日は新八と神楽ちゃんはいねぇの?」
「おう、なんか神楽は定春と遊んでくるっつってどっか行って、新八はお通ちゃんのライブだとよ」
「なるほどね〜」
じゃあ、なんでこんなに賑やかなんだ?とは思いながらリビングに入った。
「・・・指名手配犯二人?」
そこでは、高杉晋助と桂小五郎(エリザベス付き)、坂本竜馬がどんちゃん騒ぎをしていた。
「俺、一応真撰組なんだけど・・・?」
「あ、そうだったね」
銀時はすっかり忘れていたらしい。
真撰組の隊服を着ているにもかかわらず・・・。
ヅ・・・桂が振り向いた。
「貴様、真撰組のか?」
どうやら、桂はに見覚えがあるらしい。
「うん。そうだね」
そう答えたに高杉と桂が一気に殺気立つ。
「ま、でも俺今日サボりだしィ。やり合う気ないしィ。遊びに来ただけだしィ」
そう言ったはテーブルに置いてあった団子をひょい、と取って食べた。
「おっ、これ美味しいじゃん。何処で買ったの?」
そう言ったに誰も答えない。
高杉と桂はまだ警戒しているらしい。
「う〜ん、まだ信用できないか・・・。んじゃ、奥の手」
そう言うと、は銀時の方を振り向いて抱きつき口付けた。
10秒経過、20秒経過、30秒経過・・・
その間に銀時はの腰に手をまわし、口付けを深くしていく。
「・・・ちょ、銀、と・・き。そ、ろそ・・ろ」
「え〜、もう?」
銀時は少し不満そうにの唇を解放した。
「ね?俺ってば銀時の恋人だから銀時に迷惑かかるようなことしねーの」
分かった?と小首を傾げ高杉と桂を見る。
「なんじゃ〜、金時。恋人がおるなんて聞いとらんぞ。水くさいやんけ〜」
「誰が、てめぇらなんぞに教えるか。勿体なくてんなこと出来ねぇよ。そして、俺の名前は銀時だァア!」
そんなやり取りをしている銀時と坂本を放っておいて、は高杉と桂を見つめる。
「てか、俺、折角サボったのに仕事したくねぇもん」
あはは、と無邪気に笑うに高杉と桂はようやく表情を和らげる。
「じゃ、一杯いくとしようぜェ」
早速、高杉がの肩に腕をまわして絡んだ。
「おまっ、なにしてやがる!は俺のだ!!そして、てめぇらは帰れ。俺はと二人っきりの時間を楽しむ!」
「よいではないか、銀時。友好の幅を広げるということはとても良いことだぞ」
「てめぇの場合は下心まるわかりなんだよ!!!」
などと、銀時と桂がやり合っている間にちゃっかり高杉と坂本はの隣を確保していた。
そして、に酒を勧める。
流依は一気に飲み干した。
「お〜、いい飲みっぷりじゃァ。わしも、負けんぞぉ」
そう言って、坂本も一気のみをする。
この勢いだと、急性アルコール中毒を起こしそうだ。
坂本は酒で眠くなってきたのかにもたれかかって眠り始めた。
その坂本を蹴飛ばして高杉はに言い寄る。
「テメェ、よく見ると俺好みだなァ。銀時なんかやめて俺にしねェか?」
「う〜ん、それは出来ないなぁ。それに、一応俺も真撰組の端くれだし」
「いいじゃねェか。真撰組なんかやめっちまえよ。俺が銀時よりも素晴らしいテクで天国見せ」
ドゴォッッッ!
「テメェは俺が目を離した隙に、な〜に俺のにいい寄ってンだ!てか、いい加減テメェら帰れよ!!!」
ピンポーン
インターフォンが鳴った。
「ったく、誰だよ。こんな時に・・・」
ぶつぶつ文句を言いながら一応家主の銀時が玄関に出る。
「ハイハイ、どちらさんですかー・・・・・・」
「ここに、が来てるだろーがよォ」
来たのは土方と沖田だった。
「あー、今は俺とラブラブ中だからまた後日ということで」
「何、言ってんですかィ。は返してもらいますぜェ」
「おい!いるんだろーが!!出て来い!!!」
土方が大声で叫んだことで高杉と桂に真撰組が来たことが知れた。
「どうする?高杉」
桂が高杉に聞く。
二人とも指名手配犯である。
見つかるわけにはいかないのだ。
「俺が玄関に出ている間に裏口から出ていけば大丈夫じゃない?」
「そうか、恩に着るぞ」
そう桂が言って、二人は裏口に向かう。
「あ、二人とも。仕事で会ったときは容赦無しだよ!」
ニッと笑ってが言った。
「ククッ、上等だァ」
高杉がニヤリと笑う。
そして、二人は裏口から出ていった。
は玄関へ出る。
「なんだ、もう見つかったんだぁ。つまんなーい」
「何が『つまんなーい』だ!!テメェは仕事舐めてんのかァ!!!」
「え〜〜〜。舐めてはないけど、誰も構ってくんないから暇だったんだもん」
「だもん、じゃねェ!!!仕事しろォ!!仕事!!!」
「まァ、そう怒りなさんなって。娘さんはこの万屋銀ちゃんが責任もって預かるから」
「旦那ァ、をそう簡単に預けるなんてできるわけないだろィ」
は早くもこの話題に飽きてきたらしく欠伸をしている。
「んじゃ、俺、明日には帰るから」
そう一言残してピョンと屋根に飛び乗った。
「オイィイイイ!!待て、こらァァアアア!!!!」
ヒラヒラと手を振って逃げるに土方が怒鳴る。
「あ〜ァ、逃げられちまいましたねィ。土方さんのせいでさァ」
「何故、そうなる!?テメェの責任でもあるだろうがァァアア!!!」
「てか、君らいーかげん帰ってくんない?」
二時間後
「よっ、銀時」
「なんだ、もう戻って来たのか?」
は窓から銀時の部屋に入る。
「うん。もう、二人とも帰ったよね?」
「おう、お前を捜すっつてどっか行ったぜ」
「やっぱり?さっき、見つかりそうになったから急いで避難してきた」
あはは、と笑いながらは言う。
「てか、お前はなんでそこまでしてサボりたいの?」
「う〜ん・・・。気になる?」
「気になる」
「知りたい?」
「当たり前デショ?」
ぷぅーっと、はむくれる。
「分かんねーの?」
「・・・分からん」
「今日は何月何日だ?」
「今日・・・?」
銀時は今日の日付を知らないらしく、カレンダーを見た。
「あー・・・」
「分かった?」
「ゴメンナサイ」
「分かればよろしい」
はニッと笑う。
「今日は8月1日。俺らが初めて会った日だよ」
ハイ、とはラッピングされた包みを銀時に渡した。
「これは?」
「一口サイズのケーキ。銀時、甘いの好きでしょ?俺の手作り」
銀時はをギュッと抱きしめた。
「ごめん、。俺、なんも用意してないわ」
「別にそんなの気にしなくていいよ?だけど、明日までずっと一緒だからね?」
は銀時に目を見て言った。
「当然。丁度、新八も神楽も帰ってこないし」
二人でクスクス笑う。
「じゃ、ベッドルームへレッツゴー?」
「ぷぷっ、まだ明るいんだけど?」
「え〜〜」
「まずは、夕食からじゃない?」
「の手作り?」
「当ったり前じゃん。今日はめっちゃ気合い入れて作るから楽しみにしてろよ?」
「じゃ、は今夜は手加減なしだから覚悟してろよ?」
啄むようなキスをして銀時はの体を離した。
後書き
やっほ〜い!!『swallow tail』の宮路遙です。
10000Hit&一周年おめでとう!!
相も変わらず短い駄文で申し訳ありません。
オールキャラ目指したけれども挫折しました。
口調も難しくて・・・。
そして、何故か私が書くと友情ではなく恋愛になってしまいます。何故に?
本当は、唯のギャグにするつもりだったのですが・・・。
てか、これはギャグなのか?
そんで、恋愛ものになるとエロくしそうになるのは何故でしょう?
なんとかキス止まりにしました。
こんなで、ごめんよ。
焼くなり煮るなりお好きにどうぞ!!
遙さまへ。
キャー!!!ニヤケと笑いが止まりません。(←いつになく怪しい人
てか、机にぶつけすぎて手が痛い。(←何があったんだ?
トッシーっ。ぷくくっ。かなり笑ってましたっ。
頬が引きつって、腹筋イタイ。
いろんなメンバー勢ぞろいで僕としてはおいしかったです。ごちそうさまァ。
主人公の性格も大好きですv何気にサボリ癖があるとことか、王子よりな性格とかがv
ホントにありがとうございましたっ。
ちょっと、かなりヒィヒィ言って悶えてますのでココらで。
Good job!遙ちゃん!