「ちょっ……。ロードっ。そ……それは…やっ…め!」

「えぇ。なんでさ〜。今の、とってもカワイィのに」

「えっ…でも……そ、それは……うぅ」

「キャハハv 、カワイィv」



俺が部屋の前を通るときに聞こえてきたそんな声。
コイツら何やってんだ?



「ギャー!!!もうロード、マジ勘弁!!!」

「・・・・っ!!」

「えぇ。いいじゃんか、こんな日はあんまりないんだからさ〜」

「・・・・っ!!」

「こんな日が何回もあってたまるかっ!って、ティキ大丈夫か!?生きてる!?」

「おかえりィ。ティッキーも帰ってきてたんだ。それでなんで、鼻押さえてるのぉ?」



っ!!!オマエらがいきなり部屋から飛び出してきたからだよ!!
真っ赤になった鼻を押さえながら、ゆっくりと立ち上がった。
大きな音がして、部屋の扉が閉まる。
あ"ァ、痛てェ。
ふと、前を見ると俺のことを覗き込んできている金色の長い髪の持ち主。
こんな奴いたっけ?



「ってオマエ、だよな?」

「ティッキー、何いってんのさ。しかいないじゃん」



目の前には、ブロンドの髪を靡かせているどう見ても少女。
たしかに、その不機嫌な顔をしているのは、よく知っている



「あははっ!」



ちょ、それ似合いすぎ。笑いが止まんねぇ!!
ロードが好きなゴシック調の服を着ている
黒を貴重に裾には白いフリル。
言わずとも、その服はスカートで
その服を着ているは思いのほか似合いすぎている。



「ティキ、笑うな!恥ずかしいのは俺だっつーの!!」

「ぷっくく。イヤ、なかなか似合うぞ。そのまま女で通しても通じるぐらいに」

「通じても嬉しくネェ!って、ロード!ナニ次の服選んでんだよ!」

「くくっ。今度、その服で俺と一緒にデートするか?いい店知ってるぞ」

「げっ!」



本当に嫌そうに顔を歪めるなよ。
の方が、そこらへんの女よりイイと思うんだけどなぁ。
てか、そんなに可愛らしい格好してるのに、そんな顔似合わないぞ。



「ティッキー。は僕のだからねぇ。取らないでよ」

「わかってマスって」

もティッキーに付いて行ったらダメだから」

「はいはい。てか、ティキが帰ってくるのって久しぶりじゃねぇ?銀取りはもういいわけ?」



いつもの調子で話すに、嬉しそうに笑っているロード。
オマエ、よく首にロードをぶら下げたままでいられるなぁ。
疲れないのか?



「銀取りは、千年公のシナリオに沿ってやらないといけないからな。俺の勝手でやるわけいけねぇし。今日は、今までのソレの報告ってとこ」

「ふーん」

「もう少し反応できないのかよ・・・。」

「だって、俺の仕事じゃねぇし。」

「なら聞くなよ・・・あぁ。コレ、千年公がオマエにって」



ピシっと投げたトランプぐらいの大きさのカード。
それを、「よっ」っと言いながらは落とさずにキャッチする。



「サンキュー」

「おぅ」



カードに書いてあることを見て、少し顔の表情が変わる。
でもソレもすぐにもとの表情に戻って口元にカードを当てて何か考えてる様子だった。



ー。ティッキーばっかり構ってないで、人形遊びの続きしよぉ」

「まだやるのかよ!?」

「だって、まだ時間あるしィ」



の腕を掴んで部屋まで連行するロード。
引きずられているが「勉強しろよ!!!」っと叫んでいるが今のロードには聞こえていないようだ。
はぁ、ロードもで遊ぶのたいがいにしとけよ。






















。オマエ何やってるんだ?」



日が沈んで、もう深夜近くになっているころ。
蝋燭の火によってユラユラ揺れるのはの人影。



「っん。ティキ?ロードの宿題をね。ロード疲れて眠っちゃったし」



確かに、がいるときはいつもうるさいロードの声が聞こえない。



「はぁ、オマエもやるなぁ。明日はあっちに行かなきゃいけないんだろ。千年公からも新しく仕事入ってるみたいだし」



机の端に置いてあった白黒模様のカード。
それに表記されているのは、何人かの名前。
いらなくなったモノ。裏切りモノ。そういう奴の名前。
そのカードを指先でくるくる回す。
は『悪魔の子』であっても、俺たちとは違う人間。
同じ種族を消していくことは、つらくはないのか。
そんな俺に気付いたのか、手を止めてがこっちを見た。



「でも残念なのは、ロードの好きな人形の材料になりそうな奴がいないことだよな。名前見た感じ全員男。次こそ、おみあげ持ってこないと、どうやって遊ば れるか…」

「っ・・・あはは!」

「はぁー?ティキどうしたんだよ。ネジどっか取れたか?」

「・・・くっ。イヤ、はそういう奴だったなっと思って」

「どうゆう意味だよそれ」



わけの分からないという顔をしてこっちを見てくる。
がそういう性格だからこそ俺らは『人間』のと一緒にいるんだよな。
一人で自己完結したけど、それに納得言ってないのが



「ロードにに似合いそうな服買ってきてやろうかと思って」

「げっ!!!ティキそれはヤメロ!!!てか、マジで勘弁して下さい。」

「ははっ。」

「マジでティキ買ってくんなよ!俺、女装趣味ないからな!」

「こんな格好した姿見たら、そんなことは思わないけどな。」



ニヤリと笑って見せたのは今日のあのの写真。
それを見た途端、またの顔が歪む。



「ちょ!ソレっ」

「フィの現像機能ってな。女に飢えてる俺の仲間に見せてやろうと思って」

「つっ」


そんなに頭抱えるなよ。
あいつらは、飢えているというより興味がないって感じだけどな。

目の前に積んである厚い本を1冊掴む。
さぁ、可愛い弟と妹のために一肌脱ぎますか。







結局、宿題の山は朝ギリギリになるまで終わらなかった。
学のない俺は手伝っても1冊終わらせるのがいっぱいいっぱいで、あとほとんどはがやったヤツ。
机の上に突っ伏しながら、できあがった山を眺めた。
俺よりできる弟ってどうよ?俺の立場なくねぇ?

さて、ロードが起きてくる前に、俺も仲間のところにもどる準備をしようか。







ぼやき。

ティキはお兄さん的存在だと思う。暖かく見守ってるみたいな?
僕の設定では、主人公はアレンと同い年ぐらいで、
ロードよりちょっと年上って感じかな。